レイの数学メモ

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【数学】$\Phi_n(x)$ の $\varphi(n)-1$ 次の係数

reisr.hatenablog.com の続きで、$G$の生成元の和を求めます。

皆の投稿 - 原始根の和が0,-1,1のいずれかになることの証明 - 数学博物館 すうじあむ のように包除原理を使って直接求めるのが上手い気がしますが、円分多項式の係数と結びつけたのでその方向で行きます。

まず、 $n(\in\mathbb{N})$ 位の円分多項式の係数を文字でおいて $$\Phi_n(x)=\sum_{i=0}^{\varphi(n)}a_n(i)x^i$$ とします。

$p$ を $n$ の素因数にならない素数とすると、

$$\Phi_{np}(x)=\frac{\Phi_n(x^ p)}{\Phi_n(x)}$$

が成立するので

$$\Phi_n(x)\Phi_{np}(x)=\Phi_n(x^p)$$

が得られます。

両辺の $x^{p\varphi(n)-1}$ の係数(最高次より $1$ 小さい次数の係数)を比較すると

$$a_n(\varphi(n)-1)a_{np}(\varphi(np))+a_n(\varphi(n))a_{np}(\varphi(np)-1)=0$$

です。ここで、円分多項式はモニックより

$$a_n(\varphi(n))=a_{np}(\varphi(np))=1$$

なので、漸化式

$$a_{np}(\varphi(np)-1)=-a_n(\varphi(n)-1)$$

が成立します。

$n$ が相異なる素数の積 $n=p_1p_2\cdots p_r$ とすると、この漸化式から

$$a_n(\varphi(n)-1)=-a_{np_1^{-1}}(\varphi(np_1^{-1})-1)$$ $$=(-1)^2a_{np_1^{-1}p_2^{-1}}(\varphi(np_1^{-1}p_2^{-1})-1)$$ $$=\cdots=(-1)^{r-1}a_p(\varphi(p)-1)=(-1)^{r-1}=-\mu(n)$$

(ただし、 $\mu(n)$ はメビウス関数) したがって、

$$(G\text{の生成元の和 })=-(\Phi_{q-1}(x)\text{の}\varphi(q-1)-1\text{次の係数})=\mu(q-1)$$