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2015-12-21

【高校物理を見つめ直す】 相対速度

{\displaystyle
速度v_Aで運動する物体Aと速度v_Bで運動する物体Bがあるとき、物体Aに対する物体Bの相対速度v_{A\rightarrow B}は次の式で求められる
}

{\displaystyle
v_{A\rightarrow B}=v_B-v_A
}

{\displaystyle
これは物理の力学で出てくる式で参考書にはだいたい書いてある。A,Bが一直線上に運動しているなら「まあ、そうだろうなぁ」と思える。
}

{\displaystyle
しかし、そうじゃない状況(例えばA,Bが違う方向に運動している状況)を考えるとよく分からなくなってくる。なぜ速度ベクトルを引き算するのか?
}

{\displaystyle
ほとんどの参考書が説明を誤魔化していて、おそらく、高校物理の指導要領内ではちゃんとした根拠を得られない。
}

{\displaystyle
そもそも速度とは厳密には微分を使って定義されるのだから、微分を使って説明しよう。
}

{\displaystyle
そのために、速度と相対速度をちゃんと定義する。
}

{\displaystyle
まず、時刻tにおける位置がx(t)である物体の速度v(t)はv(t):=\frac{d}{dt}x(t)で定められる。
}

{\displaystyle
次にAに対するBの相対速度だが、これは文字通りに解釈すれば、Aから見たときのBの速度。
}

{\displaystyle
速度とは位置の単位時間の変化量のことだから、相対速度とはAから見たときのBの位置が単位時間にどれだけ変化したかということ。
}

{\displaystyle
Aの位置をx_A(t)、Bの位置をx_B(t)とすれば、Aから見たときのBの位置というのは、x_B(t)-x_A(t)である。
}

{\displaystyle
したがって、Aに対するBの相対速度v_{A\rightarrow B}(t)はv_{A\rightarrow B}(t):=\frac{d}{dt}(x_B(t)-x_A(t))と定められる。
}

{\displaystyle
微分の線形性を利用すれば、\frac{d}{dt}(x_B(t)-x_A(t))=\frac{d}{dt}x_B(t)-\frac{d}{dt}x_A(t)=v_B(t)-v_A(t)
}

{\displaystyle
したがって、v_{A\rightarrow B}(t)=v_B(t)-v_A(t)となる。つまり、数学的に相対速度の式が得られた。
}

reiSR 2015-12-21 07:04

【高校物理を見つめ直す】 相対速度
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