レイの数学メモ

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垂心について

三角形の五心(内心・外心・重心・垂心・傍心)の一つである垂心について

三角形の各頂点から下ろした垂線は一点で交わるという性質がある

この一点のことを垂心という

さて、3本の垂線は本当に一点で交わるのだろうか?

実際に作図してみると確かに一点で交わるということが分かる

しかし、だからと言って「一点で交わる」と言い張っても納得できない人は多いだろう

「ホントに全ての三角形でそう言えるの??」そう思う人がいるはず・・・

そこで登場するのが数学的な証明

うん、まあ証明する

どう証明するかを考え付くのは大変だが証明自体は全然難しくない

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△ABCを考えてAから垂線AD、Bから垂線BEを引き、ADとBEの交点をGとする

そして、CGの延長とABの交点をFとする

このとき、∠BFC=90°が分かれば3つの垂線は一点で交わることになる

 まず、∠CDG=∠CEG=90°であるから、円周角の定理の逆より、C,D,G,Fは同一円周上にある

  同様に、∠ADB=∠AEB=90°であるから、円周角の定理の逆より、A,B,D,Eは同一円周上にある

 

すると、四角形ABDEは円に内接しているから、ある角とその対角の外角は等しく

∠BAE∠CDE(←黄色の印の所)

また、弧GEに対する円周角は等しいから

∠EDG∠ECG(←緑色の印の所)

AD⊥BCより、∠CDE∠EDG=90°

以上より、∠BFC=∠BAE∠ECG∠CDE∠EDG=90°

したがって、垂心は一点で交わる(Q.E.D