ネットで見つけた予想の部分的な証明
皆の投稿 - 原始根の和と円分多項式 - 数学博物館 すうじあむ
にあった予想(@mizumiya_umiさんによる)を$p$にかなりの制限を付けて証明した。
$p$を素数とし, $p-1$ は$2q\;(q:$奇素数$)$ の形とする.
$\bmod{p}$ の原始根全体を
$$A=\{a_1, \cdots, a_{\varphi(p-1)}\}$$
とおく.すなわち,
$$(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})^\times=\{\bar{a_1}, \cdots, \overline{a_{\varphi(p-1)}}\}$$
また, $0\le b<p$ を
$$\sum_{i=1}^{\varphi(p-1)}a_i\equiv b\bmod{p}$$
を満たすように取る.
$(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})^\times$ は巡回群だから, $\bmod{p}$ の原始根$a$ を1つ選べば,
$$A=\{a^i\mid i\in(\mathbb{Z}/(p-1)\mathbb{Z})^\times\}$$
とも表せる.
このとき, 合同式
$$\sum_{i\in(\mathbb{Z}/(p-1)\mathbb{Z})^\times}a^i\equiv b\bmod{p}$$
を,
$$a^{\frac{p-1}{2}}\equiv-1\bmod{p}$$
によって簡単にすると,
$$\Phi_{p-1}(a)\equiv0\bmod{p}$$
となる(ことを示す)$\cdots(\ast).$
以降の多項式はすべて$(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})[X]$
の元とする.
$$f(X)=\sum_{i\in(\mathbb{Z}/(p-1)\mathbb{Z})^\times}X^i-b,\; g(X)=\prod_{i=1}^{\varphi(p-1)}(X-a_i)\text{ とおく}.$$
すると, $(\ast)$は$f(X)$
を$(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})[X]$
のイデアル$(X^{\frac{p-1}{2}}+1)$
による剰余環上で考えると, $\Phi_{p-1}(X)$
の0でない定数倍になることと言い換えられる.
$b$の定義から, $a_i$は$f(X)$の根になるから,$g(X)$
は
$f(X)$ を割り切る.
よって,
$$f(X)=g(X)h(X)$$
となる$h(X)$
が存在する.
$a_i$は
$$X^{p-1}-1=\prod_{d\mid(p-1)}\Phi_d(X)$$
の根であるから, $p-1$
のある約数$d$
に対して, $\Phi_d(X)$
の根.
したがって, $X^d-1$
の根となるが, $a_i$は$\bmod{p}$
の原始根だから, $d=p-1.$
つまり, $a_i$ はすべて$\Phi_{p-1}(X)$
の根なので, $g(X)$
は$\Phi_{p-1}(X)$
を割り切る.
しかし, 次数が等しいので, ある$C(\in(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})^\times)$
が存在して,
$$g(X)=C\Phi_{p-1}(X).$$
さらに, $(\mathbb{Z}/p\mathbb{Z})[X]$
のイデアル$(X^{\frac{p-1}{2}}+1)$
を法として考えれば,
$$\overline{f(X)}=\overline{C}\;\overline{\Phi_{p-1}(X)}\;\overline{h(X)}$$
このとき,
$$\deg\overline{f(X)}\le\deg(X^{\frac{p-1}{2}}+1)-1=\frac{p-3}{2}=\deg\Phi_{p-1}(X)=\deg\overline{\Phi_{p-1}(X)}$$
であるから, $\overline{h(X)}$
は0でない定数となり, $\overline{f(X)},\overline{\Phi_{p-1}(X)}$
は互いに定数倍.
したがって, $(\ast)$は示され, このことより, $\Phi_{p-1}(X)$
の項の数は$b\neq0$
のとき, $\phi(p-1)+1.$
例
$p=11$のとき, $A={2,6,7,8}={2,2^3,2^7,2^9}$であり, $b=1.$
\begin{align*} X+X^3+X^7+X^9-1&\equiv X+X^3-X^2-X^4-1\bmod{(X^5+1)}\\ \Phi_{10}(X)&=X^4-X^3+X^2-X+1. \end{align*}
根の対称式
2年前にtwitterで次のように呟いた
z^5-11z-5=0の解α1~α5に対し、1/(2-α1)+1/(2-α2)+…+1/(2-α5)を求めるのいい計算練習になるよ。大学受験生の
— 冷 (@0_A_M_) 2016年4月20日
※数式の部分を一応見やすく再掲:
の解 に対し,
これについて昨日考えたが、
当時想定してた方法は忘れたけど、昨日の夜やった方法のが明解な自信ある https://t.co/3zLvkcFPVa
— 冷 (@0_A_M_) 2018年2月26日
その方法を以下で解説
【数学】実数係数方程式のペアになっている解
実数係数次方程式などに虚数解があるとその複素共役も解になるというのは高校数学の問題で1度は目にしたと思う.
まずこれが何故そうなるのかを見ていく.
例えば, 方程式 を考え, これが虚数解 を持ったとすると, 次を満たす.
この等式の両辺で複素共役を取ると
となるから, 複素共役 も方程式 の解になるというわけである.
ところで, 複素共役には次の性質があると習う.
これは環準同型というものの一種になっている.
環準同型とは何か?というと, 次を満たす関数(普通は写像とよぶ) のことである.
関数 は複素数 に対し, を満たすとする(これを複素共役写像とよぶ).
このとき, は環準同型であり,実数を代入したときの値は元の値と変わらない.
こういう関数で作ったペア は同じ実数係数方程式の解になっている.
このようなペアが出来るには複素共役の性質に赤で書かれたものがあるのがミソになっていて, そのような性質があれば複素共役以外でもペアの解が出てくる.
(ちなみに, 係数に実数ではないものがあるときは複素共役も解になるとは限らない.)
実は有理数の平方根を 倍する関数はその性質(環準同型であり, 有理数を代入しても変わらない)を持っている. ※ただし,その有理数は何かの2乗ではないとする.
例えば, を に写す関数 である.
ここで, 関数の定義域は何かというと と有理数の四則演算で得られる数( など)全体である.
すると, 有理数係数方程式に という解があれば, も解である.
例えば, 方程式 には という解があるので, も解であると分かる.
【アニメ】「ようこそ実力至上主義の教室へ」の考察や推測
12話で出てきたように契約書は印刷されたものということが分かる。
この契約内容はいつ決めたのか、大きく分けて2つになる。
この場合、印刷は必然的に上陸後になる。すると、どうやって印刷したのかとなるが、学校側は試験を運営するためにパソコンなどの電子機器類を用いている。この中にプリンタもあったと考えるのが妥当で、パソコンなどでデータを入力し印刷したのはCクラスの担任の坂上先生ではないだろうか。
契約内容からして試験内容を把握してないとおかしい。とすると、試験内容を説明される前から龍園は把握していたということで、坂上先生が情報を流したのではないだろうか。
texで図式を書く
\xymatrixを使うと,図式が綺麗に書ける.
・セッティング
簡単LaTeXインストールWindows編(2016年4月版)でインストールした人には参考になると思う
\c:\w32tex\donload
にある xypic.tar を
\c:\w32tex\share\texmf-dist
で解凍して展開
・使い方
まず,\begin{document}の前に\usepackage[all]{xy}
書くときは
\xymatrix{ コマンド}
コマンドの形式はarray環境のようなもので&で区切る
まず,矢印の始点となる集合を配置
次に,各集合を始点とする矢印をその集合と同じ成分に書く
・具体的なコマンド
\ar[u]:上矢印
\ar[d]:下矢印
\ar[l]:左矢印
\ar[r]:右矢印
\ar[rr]:右矢印(2個分)
\ar[ul]:斜め左上矢印
\ar[ur]:斜め右上矢印
\ar[dl]:斜め左下矢印
\ar[dr]:斜め右下矢印
\ar@{.>}[u]:上点々矢印
\ar@{}[u]:上向き空白矢印
これらのコマンドの右に「|f」などと書くと矢印の途中に「f」が挿入される
・例
\xymatrix{
A \ar[d]_{\varphi} \ar[r]^f \ar@{}[dr]|\circlearrowleft & B \ar[d]^{\psi} \
X \ar[r]^g & Y \}
・参考
【技術】texコマンドメモ(随時更新)
・\documentstyle{article}でタイトルを付けるときに上の無駄な余白を縮めたいとき
→\title{\vspace{-5cm}タイトル}
・取り消し線を使いたいとき
→プリアンブルに\usepackage{ulem}と書き,\sout{取り消し線を被せたい文(数式なら$$を最初と終わりに)}
・合同でない記号()を使いたいとき
→\not\equiv
・シグマ記号()や積の記号()の下に条件式を複数行書きたいとき
→\sum_{\substack{1行目 \\ 2行目 \\ 3行目}}
・注意点